一番いい死に方
今日は、亡父の誕生日である
昭和9年生まれだったから
生きていたら85歳か
でも、父は33歳で亡くなった
突然死である
170cm、80kg
ラグビーで鍛えた父は
見るからにごっつい男だった
その夜
床につくまで元気だった父は
気がつくと夜中に
大きな呼吸を繰り返していた
それがどれくらい続いたかは
小学1年生だった私にはわからないが
仕事のトラブルでチンピラに刺されても死ななかった父は
呆気なく亡くなった
会社を起こし
これからという33歳の父は
さぞかし無念だったことだろう
しかし、私は
父の歳を遥かに超えた今
自分が自分の死を考えるようになって
父のような死に方は
もしかしたら一番よいのではないかと
考えるようになっている
闘病生活で家族に迷惑をかけることもなく
事故にあって醜い姿を晒すこともなく
また、自分自身も
痛みや恐怖を覚えることなく
眠ったまま意識を失う事は
幸せなのではないかと
父の思い出は
はるか50年以上前になってしまったが
父にはやり残したことがあたっとは言え
33歳で鬼籍に入ることが決まっていたとすれば
あの亡くなり方は
よかったのではないかと
考えるのである
あのように死にたい